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希一のブログ

ヘルスケア事業では大言壮語してる感が否めない。

希一です、一方のヘルスケア。
今の主力は呼吸器疾患用の酸素濃縮装置など在宅医療機器や医薬品だ。
1970年代後半から80年代前半に参入した事業で、17年3月期の売上高は前期比微減の1450億円を見込む。
5年前から横ばいが続く。
中期計画ではこれとは別に10年間で1500億円の新規事業を創出する方針を打ち出 した。
狙うのは人工関節など体内に埋め込む整形部材、機能性食品素材、デジタル診断サービスといった事業だ。
およそ40年で育てたヘルスケア事業の規模に匹敵する新規事業を10年で生み出すという。
だが、その戦略は明確に示されなかった。
ヘルスケアには異業種からの参入が相次いでいる。
キヤノン東芝の医療機器子会社を6600億円超で買収。
2000年代にカメラ用フィルムで行き詰まった富士フイルムホールディングスも医薬品分野で買収攻勢をしかける。
海外ではオランダのフィリップスがテレビや半導体を売却し、医療機器に経営資源をシフトしている。
帝人はこうした大胆さを示せていない。
在宅医療は08年ごろに米国で企業買収に打ってでたが苦戦。
現在は構造改革を検討し ており、今後、減損処理の可能性がある。
医薬品や医療機器は各国の許認可によって事業展開のスピードが大きく左右される。
従来の素材事業と営業ノウハウも異なる。
ヘルスケア事業を一から育てるのは極めて難しい。
ライバルとなる素材大手では三菱ケミカルホールディングスは医薬品、旭化成が救急医療機器を巨額買収で強化してきた。
鈴木社長は全体では規模よりも収益性が重要だと強調するが、ヘルスケア事業では大言壮語してる感が否めない。
帝人も買収戦略は欠かせない。